全く恐ろしいゲームがあります。
キャンディクラッシュです。
ご存知の人は大勢いると思いますが、サガ・キャンディクラッシュです。
色んなキャンディがブロックになっていて、3個以上同じ色、同じ種類のキャンディを並べれば消えてなくなります。割と頭を使うパズルゲームです。
伝説のTetrisの20世紀版みたいなものです。
で、なぜキャンディクラッシュが恐ろしいかって?
なぜなら、やった人がみんなはまってしまうからです。8歳の子供から80歳のおばーちゃんまで例外なくはまります。
実は、
キャンディクラッシュは人がはまるように作られている。はまって当然なのです。
その理由を4つあげます。
1. キャンディクラッシュは飽きる暇与えません
ほとんどのゲームは好きなだけやって飽きたら終わる感じです。
例えば、マリオカート。
一旦はまって好きなだけやります。結局、飽きたら終わる。
飽きたら終わる体験はそのものの価値を下げる。一回下がった価値は始めた当初の好きという状態には戻りません。
それに対して、キャンディクラッシュは飽きるまで一回終わるという設計になっている。
プレイヤーには5つの命が与えられます。そして、それが終わったら特定の時間待たなければなりません。確か30分だと思います。一日間待つことになるポイントもある。
プレイヤーは、やりたいんだけどやれないという希少性状態に陥ります。希少性には人を行動させる力があります。
命がない、待っている間はどんどん好奇心や興味が湧いてきます。そして、始めた当初の好きという状態に戻る。キャンディクラッシュは飽きる暇を与えます。
これは実際のビジネスでも活用できる仕掛けです。
限定性を出して売る。多分同じ効果があります。終わったらもう手に入らない(希少性)という状態を作っておけば恐らく何も仕掛けをしないのと比べて圧倒的に売れると思います。
限定性です。
2. キャンディクラッシュはフリー
キャンディクラッシュは無料です。
無料には脳が異常に反応します。それが質の高い物であればあるほど反応が大きくなる。
有料で物を購入するというのはユーザにとって結構な壁です。1円の物、0円の物が並んでいれば1円の物がものすごい高く感じるはずです。有料の物は1円の差でもリスクを感じるわけです。
実はこのフリーという戦略をうまく使って成功しているビジネス事例は沢山あります。
送料無料とか、初回無料とか。あるいは無料版のソフトウエアも分かりやすい例です。
機能を限定して無料版のソフトを使えるようにしておきます。もちろん質の良い物が前提です。
そして、沢山ユーザを集めて、その中で有料版にグレードアップしてもらうわけです。
健全といえば健全、ズル賢いといえばずる賢いやり方です。
でも、私はこのやり方は大賛成です。
無料版でも使えるよ、でも有料版ではもっと充実した使い方が可能だよと誘っているだけです。
本当に欲しいと思った人しか購入しないのでそこには後悔はないはずです。買った人も、売った人もみんなが嬉しい。
3. キャンディクラッシュは簡単
我々の脳はスラスラ進む行動が好きです。休むことなく、勢い良く前進する動きが好きで調子にのる。
読みやすい本だったらいくらでも読めるが、
解りにくい表現や専門用語ばっかり入れた本はすぐ疲れます。
キャンディクラッシュは非常にシンプルなゲームです。同じキャンディを3個並べるだけです。考えなくても、無意識でも並べられます。
シンプル・イズ・ベストということです。どんな分野でも言える基準です。
4. みんなキャンディ好き
キャンディ好き:キャンディ嫌い=8 : 2だと思います。多分。
今嫌いと言っても昔好きな時期があったはずです。好きな物、好きだった物が目の前にあると穏やかな気分になる。人間にとって一番居心地の良い気分です。
ずっと好きな物を見ながら居心地の良い気分を味わえながらやると疲れにくい。
これもキャンディクラッシュにはまるポイントの一つです。
好きな絵を飾るとか、スマートフォンの壁紙を好きな絵にするのも居心地の良い空間を作りたいためです。
など、キャンディクラッシュに皆がはまる仕掛けは沢山あります。何気のないようで実は人の心理を操る強力なビジネスツールでもあります。