コールドリーディング(Cold reading)は聞いたことありますか。
人間関係を有利に進める話術として昔から注目されているメンタリズムテクニックです。
今回は、コールドリーディングの基本を明確にした上で、会話力を劇的に上げる3つのコールドリーディングテクニックを紹介する。
この3つのテクニックを活用すれば、自分が話しやすくなり、会話が楽しくなる。
それだけではなく、相手に話しやすい印象を与えるので、人間関係も改善出来る。
まず、コールドリーディングとは、どういうものなのか明確にしましょう。コールドリーディングテクニックを知る前に明確なイメージが必要です。
コールドリーディングとは
コールドリーディングとは、会話中に賢い質問し、答え方、反応、答えの内容から相手の事を知ってしまう話術のことです。
簡単に言えば、気づかれずに相手からあらゆる情報を引き出す話術です。
コールド(cold)は事前準備なしを表し、リーディング(reading)は心を読み解く事を意味するので、次のように定義づけることができる。
コールドリーディングとは、事前準備なしで、相手の心を読み解くテクニックである。
その逆のウオームリーディング(warm reading)、ホットリーデング(hot reading)もある。
相手の事をある程度知った状態から、さらに探っていくのはウオームリーディングです。
そして、相手について積極的に調べて十分な知識を持った状態から、さらに探っていくのはホットリーデングです。
コールドリーディング、おまけにウォームリーディング、ホットリーディングまで知ったところで、コールドリーディングを活用するメリットについて話します。
コールドリーディング活用のメリット
コールドリーディングを活用すれば、相手の事が分かってくるので会話がしやすくなります。
知らない事を話すのが苦痛ですよね。コールドリーディングは、その問題を除きます。
そして、色んな質問したり、積極的な会話になるので、相手からしても、話をしっかり聞いてくれている、真剣に話してくれている、と言う暖かい印象を与えるので人間関係の改善にも役に立ちます。
そこで、コールドリーディングのメリットを実感できる例をあげてます。
人にある質問をしたとします。
その質問に対して、相手が関西弁で答えたら、出身地がだいたい特定できますよね。
そこで、食べ物の話を打ち出したり、旅行の話をしたり、出来事の話をしたり、話題が湧いてくる。
そして、出身地をさらに絞る事も出来ます。
出身地がわかれば、話す内容もある程度絞られるので、話し易くなりますよね。
相手にとっても、知っている事であり、懐かしいかもしれないので、地元の話は大変盛り上がるはずです。
このように、相手のことが全く知らない状態から会話中に明らかにするのがコールドリーディングテクニックの特徴です。
コールドリーディングのメリットを実感したところで、会話力が劇的に上がる3つのコールドリーディングテクニックを紹介する。
会話力が上がるコールドリーディングテクニック
一番有名なコールドリーディングテクニックは、次の3つです。
- バーナム発言
- 適切な質問
- 言い回し、言い返し
それぞれについて、詳細に紹介する。
1. バーナム発言
バーナムの発言は、アメリカの興行師のP・Tバーナム(P.T.Barnum)の発言からヒントを得たアメリカの心理学者のバートラム・フォアラ氏(Bertram Forer)により提案された話術です。
参考にされたバーナムは、次のように発言している。
我々には、誰にでも受け入れられるものがある。
この発言からヒントを得たバートラム・フォアラがどんな人にでも心地良く捉えられる曖昧な表現を使った話術を考え出しました。
心理学では、バーナム効果(barnum effect)やフォアラ効果(forer effect)と呼ばれるものです。
バーナム効果を活用すれば、相手の反応が良くなるので会話がしやすくなります。
具体的にどのようなバーナム効果の発言があるのか。いくつか例を挙げてみます。
バーナム効果がある発言例
次のように発言されたら、完全に否定する人はいないでしょう。
- あなたは、他人から好かれたい、自分に関心を寄せてほしいと思っている。
- あなたは、自分の事を批判する傾向がある。
- あなたには、自分を成長させる能力がある、その能力をまだ発揮できていないだけ。
- あなたには、弱みや弱点がある。でも、それらを克服できる。
- あなたは、外見から規律正しい、自制的、外向的だと判断されることはあるが内心はくよくよしたり不安になったりすることがある。
- あなたは、実は独立心が強く、全て自分でやりたい、チャレンジしたいと思っている。
- あなたは、現実的な人で自分の考えをしっかり持っている。十分根拠がないものは受け入れたくないと思っている。
- あなたは、たまに正しい判断したのか、正しい行動を取ったのか一人で真剣に悩むことがある。
- あなたは、外向的、社交的な面もあるが内向的、用心深いところもある。
何となく好意に感じ取れる内容ばっかりですよね。
人間は好意に感じる事は安易に受け入れてしまうので、これらの発言を聞いたら何となく自分に当てはめてしまうのです。
完全に一致しないことでも、実はそうかもしれないですね、と自分の都合のいい方向に捉えてしまうのです。
もちろん、言われる前に本当にそのように思っていた場合は、効果が大きいです。
これがバーナム効果が期待できる話術です。
2. 適切な質問
相手の事を理解するには、適切な質問しないといけない。質問を賢く使うことは、会話力を上げるには非常に重要です。
質問の仕方によって回答が異なることもよくある。
また、質問の仕方によって相手に気づかれる事なく色んな情報を聞き出すことができる。
相手に、意図した答えを言わせる事もできる。
質問は、大きく分けて2種類ある。
- 開かれた質問
- 閉ざされた質問
開かれた質問とは
開かれた質問は、相手に自由に考える時間、答える時間を与える事でより深い情報を引き出す為に使います。
例えば、「どのような用件でしょうか」とか「貴方は〇〇についてどのように思いますか」とか「◯◯についてどのように感じましたか」など、具体的な情報が引き出すのは、開かれた質問です。
質問した後、会話も深まりますので、さらに具体的な情報が引き出せることができる。
質問は、話題を明確にするためのものです。
相手の気持ちを考えることも大事ですが、質問を丸める必要性はありません。
丸めれば丸めるほど誤解を招く結果になるのではっきりした方がいいです。
誤解を解くメタモデルという話術があります。
進化系心理学と言われるNLP心理学の重要なテクニックとして昔から活用されている。
興味があれば、読んでみてください。
閉ざされた質問とは
閉ざされた質問は、一言で答える質問です。
相手が「はい」、「いいえ」で答えられる質問が理想です。
答える側からしてみれば、考える必要もなく、自然と応答できる質問にすることで緊張を和らげる、会話に慣れる時間を与える。
警戒心をとく効果がある。
会話中は、閉ざされた質問で距離を締めて、開かれた質問で会話を盛り上げる事で色んな情報を引き出せる状態を作るという使い方ができる。
3. 言い返し
これは、相手の発言をブーメランのように言い返すコールドリーディングテクニックです。
相手が言った事、あるいは相手に言わせたことを会話の中で再び使うことで相手に言った発言に対して責任感を持たせることができます。
言い返しのテクニックを活用すれば、あなたは、今言ったよ、君の発言だよ、と認識させることができます。
相手は自分が言った事なので守らなきゃという心理になるので、言い返しの効果は大きい。
例えば、「あなたは、先ほど〇〇とおしゃった通り〇〇である」という風に言い返せば相手にとってその発言に対する重みが増しますよね。
自分が言った事なので責任を持つべきという心理が強く働くので、その立場に立たせ易くなる。
もし、相手の考え方がまだ十分定まっていなければ、発言を言い返すことで相手にその考え方が自分の考え方だと思い込ませることも出来る。
悪用禁止だが、賢く活用すれば、自分の意図した通り、相手に発言させる事が出来てしまうのです。
結論
会話力を上げる事は大事です。自分のためにも、相手のためにも話術を身につける必要がある。
そこで、知ってはしいのはコールドリーディングテクニックです。
相手に気づかれずに、相手の事を知ってしまうメンタリズムテクニックです。
コールドリーディングには、3つの有名な話術がある。
- バーナム発言
- 適切な質問
- 言い回し、言い返し
上の3つの話術を活用すれば、コールドリーディングの効果がさらに上がります。
使い方を意識して活用すれば相手のことが理解出来て、会話がしやすくなります。
それだけではなく、相手に良い印象を与えるので人間関係の改善にも効果的です。
テクニックと言っても、決まりきった手法ではなく、意識するだけで抜群な効果が期待できるので、今日から軽く意識してみて、会話を楽しんでください。
グッドラック。