人間関係めんどくさい、人間関係疲れた、人付き合いがしんどい、人間関係が苦手と思っている人は結構いるようです。
確かに合わない人と接するのはエネルギが要る「作業」ですから疲れるのは当たり前です。
でも、この世の中で生きれている限りどこへ行っても人間関係はつきものです。
職場でも、遊び場でも、都会でも田舎でも、外でも家の中でも人間関係から脱がれることはできません。
楽しく生きていかないとダメです。
では、どうすれば人間関係めんどくさいと思わない生き方ができるのか。
そもそも人間関係がめんどくさいと思ってしまう原因はなんだろうか。
その答えを出してくれるのは心理学者フリッツ・ハイダーの考案した認知的バランス理論というものです。
ハイダーのバランス理論とも呼ばれています。
バランスの理論を知ることで早い段階で自分に合わない人、合う人、あるいは相手との関係が進む方向をある程度知ることが可能になる。
そして、人間関係めんどくさい、人間関係疲れる原因が明確になるのでぜひ知ってほしいです。
下記の図がハイダーのバンラス理論図になります。
図にも説明ありますが「P」は自分、「O」は相手、「X」は趣味や好きなこと、考え方、価値観などを表している。
そして、「+」記号と「-」記号もあり、自分の趣味や好きなことが相手と一致するかしないか、自分と相手の関係がいいか、悪いかを示している。
三つの記号の積が「+」ならバランスが良い人間関係、「-」ならバランスの悪い人間関係とみなしているのがハイダーのバンラスの理論の考え方です。
図の①の三つの記号の積を求めると「+」*「+」*「+」=「+」になる。つまりバランスの良い関係となる。
逆に⑤の三つの記号の積を求めると「+」*「-」*「+」=「-」となる。
つまりバランスの悪い人間関係となる。
そうすると、上図の①〜④はバランスの良い人間関係、⑤〜⑧はバランスの悪い人間関係となる。
バランスの良い人間関係ではお互いの趣味が一致すれば好意的な雰囲気になり、話しやすかったり人間関係がいい方向に発展します。
また、お互いの趣味が合わない場合は話がうまく噛み合わなかったり、喧嘩になったり人間関係が悪い方向にいく可能性もある。
ハイダーの理論では、こんな状況は妥当な状況ということでバランスの良い人間関係とみなしている。
実際にありそうな例で説明します。
自分(P)は登山が趣味(X)です。相手(O)も登山が趣味(X)で毎週どこかの山に登っている。
この場合は当然ながら自分(P)と相手(X)には共通の趣味があるのでお互いに対する好意的な感情が生まれ、いい人間関係を築く可能性が高くなる。
上図の①の例です。
②の例で言えば、自分と相手が登山があまり好きじゃない場合も考え方が共通するので好意的な感情が生まれ、いい関係になる可能性がある。
③の趣味が一致しない場合は両者の関係が好ましくない感じになる。
例えば、自分はロックミュージックが聞きたくないのに相手が大きい音量で聞いている。
なので自分と相手の間で微妙な気まずい空気が漂うことは間違いない。
④も同じ考え方です。
なので①〜④は妥当な関係性が生まれるのでバランスの良い人間関係となる。
では、⑤はどうでしょうか。⑥、⑦、⑧も同じ考え方です。
ロックミュージックの例で言えば、自分はロックミュージックが好きですが相手は嫌いです。
自分はロックミュージックを流したいが相手が聞きたくないからロックミュージックを流すことはできない状況なので本来は良い気分になれません。
図で言えば自分と相手の関係性が悪いはずです。
しかし、⑤の図を見ると自分と相手の関係が「+」になっている。つまり共通するものがある、いい関係を持っていることになっている。
ここで矛盾が生じる。このような矛盾する人間関係はバランスの悪い人間関係です。
実は人間関係疲れる、人間関係めんどくさいと思われている原因はバランスの悪い人間関係があるからなのです。
自分は好きじゃないのに相手に合わせて好きなように振る舞ったり、相手と考え方が異なるのに賛成してしまったり自分の心と真逆のことをやっていることになるので心理的ストレスが大きくなり人間関係が嫌になってしまうんです。
防ぐにはバランスの良い人間関係を築くことです。
好きなら好き、嫌なら嫌としっかり言える自分にならない限りこの悩みは解消されることはおそらくないはずです。
そして正直な自分をさらけ出すことでバンラスの良い人間関係を築くことも大事です。