疑いもなく納得してしまう言葉があります。
よく言えば、相手が信じやすい言葉であり、悪く言えば相手が騙されやすい言葉でもある。
日常生活に大いに使えるその言葉とは?
ズバリ、疑いもなく信じてしまう言葉は「◯◯は常識ですよ」です。
例えば、
この業界ではこれ位の知識は常識ですよ!
この辺りのマンションだったらこの広さでこの家賃は常識ですよ!
海外ではそれは常識ですよ!
若者の間ではあれは常識ですよ!
その食べ方は本番では常識ですよ!
など、いかにも多くの人が賛成しているかのように言われると疑いもせず納得してしまう。
そして、知って当然のような空気感が漂うので知らない自分に恥さえ感じてしまい、気がついたら既に従ってしまっている。
思い当たる節があるという人いるのではないでしょうか。
実は人間のこのような心理を多数派の理論というらしい。
皆が言っているんだから根拠があるだろう、皆が正しい、これは常識だと思っていることだから正しいんじゃないのと同意せざるを得なくなる心理です。
ソーシャルプルーフも同じです。Facebook、TwitterなどSNSのメディアでLikeや Shareが多い投稿はさらに拡散されやすくなるという事実。
これも、皆に受け入れられている価値観はいいに違いないという心理に誘導される結果です。
そして、皆が正しいと思っているという意識を持ってしまえば、これが何で常識なんだろうかと冷静に考える疑いすら生まれない。最初は疑っていても時間が経てば自分の常識にもなる。
このように人間は多数派の理論に支配されやすいです。
言う立場を変えれば、「◯◯は常識ですよ」には自分の意見を通す効果もある。
相手に納得してもらいたい時に「それは常識ですよ」とつぶやくだけで相手の気持ちを誘導して自分に賛成させることが可能になる。
さらに、「◯◯は常識ですよ」は業界のことがあまり知らない異業の相手に効果が抜群に大きい。
「〜はこの業界の常識ですよ」と言われたら疑いようがないですよね。
「そういうものなんだ」と受け入れてしまうわけです。
不動産屋の人に、「この辺りでこの条件の物件は家賃10万円以上当たり前ですよ」と言われたら大体の人は即納得するでしょう。
若干、疑いがあれば、ちょっと回ってみようと思うくらいで、大体の人はそうなんだと信じる。
注意してほしいのは、このような手口で相手を誘導するずる賢い人も沢山いる。
相手を悪く言う前に、受け身にならず自分の頭で何で常識なんだろう、基準は何だろうと冷静に考える癖をつけることが大事です。
疑問を持つだけで正しい判断をする確率が格段に上がりますからね。
ずる賢い人にも、この人只者じゃないと警戒されるので自分の身を守ることもできます。
ここは重要なのでもう一回言いますが、物事に対して疑問を持ち、冷静に考える癖をつけましょう。