リスキーシフトと社会的手抜きの正体:力を合わすと弱くなる理由


皆が力を合わせれば出来ないことはない。どんな困難でも一緒なら越えられる。

 

よく言われる、確かに心強いセリフです。

 

お互いの足りないところを補えあって前進するから無敵な感じもしないでもない。

 

でも、想像と現実はどうも異なるようです。

 

つまり、皆が力を合わせると逆に弱くなるという現実がある。

 

そこに絡んでくるのは、人間の行動や思考に深く根付いている次の2つの現象です。

  • 社会的手抜き
  • リスキーシフト

人間が集団的行動をとる時によく見られる現象です。

 

では、それぞれどんな特徴あるものなのか簡単に紹介させてください。

 

1. 社会的手抜き

フランスの心理学者、農業技術者でもあったリンゲルマン氏により考案されたものです。

リンゲルマン効果とも呼ばれます。

 

リンゲルマン氏は綱引きを実験台にして個人でやるのとチームでやるでは力の差が生じるのか実験を行いました。

 

その結果、集団でやる時の引く力は個人でやる時の引く力より明らかに小さいことが分かったんです。

具体的に言えば、一人で全力で綱を引いた力を100とすれば2人で引いた時の力は一人平均93、それが3人になれば一人あたりの平均力が85となり引く力が弱くなっていった。

 

そして、実験は最終的に8人にまで増やしたところ一人あたりの引く力が50となり、個人で引く力の半分にまで落ちることが分かったのです。

その原因は、周りに人が増えると頼る力が多くなり、任せるという心理が働き出すからだと説明されている。

例えば、電車のホームに誰か転んでしまった時の周りの人の行動を思い出してみてください。

 

助けてあげる人が現れるのを待つだけで誰一人助けようとしない。

もし、その場に自分一人しかいなければ急いで助けてあげたのに。周りに頼る人が多ければ任せてしまうことを証明した非常に分かりやすい例です。

 

2. リスキーシフト

みんなが力を合わせると弱くなるもう一つの現象はリスキーシフトです。

心理学者ワラック氏が率いる研究チームが命名した現象です。

 

彼らは2択の選択肢を用意します。

1つは魅力的だがすごくリスキーな選択肢、もう一つはリスクはないがあまり魅力的ではない選択肢。

 

そして、集団と個人がそれぞれどんな選択肢を選ぶのかという心理実験を行いました。

 

その結果、集団で話し合って決めたのは魅力的だがリスキーな選択肢である傾向にあることが確認されたんです。

なぜ、みんなでしっかり話し合って決めたはずなのにリスクが大きい方を選ぶんでしょうか。

 

その理由として考えられるのは、みんなで決めると気が大きくなり勢いもつくのでリスクより魅力的という特徴が優先されること。

もう一つの原因は、大勢で決めると責任が分散されるので慎重さが失われるとされている。

 

確かにデモを見ていると一人が勇気を出して動き出すと周りもどんどん声を大きくして参加して行く。

一人だと何かあった時の責任感が怖いがみんなでやると責任感すら忘れられてしまうところがあります。

 

など、みんなで力合わせることは以外とリスキーで弱点がある。

 

これからの行動や人間関係において考慮していけば、状況が十分把握できる気がします。

ここで、意識してほしいのは、自分の決断や行動は責任感をもって、自分にどんな跳ね返りが来るのか冷静に考えてやることだと思います。