言葉の力は大きい。
一言で第一印象を一変させることもある。いい意味もあるが、逆に相手に届いてしまった言葉は口をふさいでも、相手の耳を塞いでももう遅いので言葉は慎重に扱うべきです。
そこで今回は、言葉の力、その中で一瞬で印象を一言を紹介します。一言の重さを実感できると思う。
一言は、一発勝負のような自己紹介、短いスピーチなどの場面でその力を発揮します。
心理学者のアッシュ氏とケリー氏がある実験を行っています。
実験の内容は、ある大学の授業を一日限りの教授をブランクという名前の男が教えるという設定です。
教える授業の内容も教えるスタイルも全く一緒です。
学生達を2グループに分けます。
そして、それぞれに一言だけが異なる教授のプロファイルを事前に提示して読んでもらいます。
異なる一言とは、「温かい」と「冷たい」です。
この2つの単語だけを入れ替えた2種類の教授プロフィールです。
授業は同じ人が同じスタイルで実施する。
プロファイルは次の通りです。
まず、温かいという単語で先生をアピールしたプロファイルです。
ブランク教授は、MITの社会科学部の卒業生である。
彼は、他の大学で3学期間、心理学を教えた経験あるがこの大学では講義するのは初めてです。
ブランク氏は若干28歳ながら経験が豊かで結婚もしている。
彼を知る人は温かくて、勤勉で、判断力や決断力がある人だと評価している。
次は、暖かいという単語を冷たいという単語に入れ替えたプロファイルです。
ブランク教授は、MITの社会科学部の卒業生である。
彼は、他の大学で3学期間、心理学を教えた経験あるがこの大学では講義するのは初めてです。
ブランク氏は若干28歳ながら経験が豊かで結婚もしている。
彼を知る人は冷たくて、勤勉で、判断力や決断力がある人だと評価している。
読んだ通り、プロフィールは温かいと冷たいという単語だけが異なる、同じ内容です。
ブランク氏の一日限りの授業が始まる。
彼はいつものスタイルで授業を進めていきます。
そして、授業が終わったあと、学生達に教授を評価してもらったところ、驚きの共通点が浮かび上がってきたと言います。
温かいという表現をつかったプロフィールを読んでもらった学生達の方が新しい教授に打ち解けやすく、ブランク氏について、社交的で、ユーモアがあり親切な人の感じがするなど高評価した。
一方、冷たいという表現つかって紹介した学生達はブランク教授について普通の先生、印象に深く残ってないなど温かいという表現で紹介されたグループより好意的な評価をあまりなかった。
その評価が授業後に行われた討論でも現れた。
温かいという表現で紹介されたグループの56%が討論に参加したのに対して、冷たいという表現で紹介されたグループの32%の学生しか討論に参加しませんでした。
同じ人が同じ授業内容を同じスタイルで教えたにも関わらず紹介文の一つの言葉が変わるだけで受ける印象がこんだけ違ってきたのです。
実験に関係なしに、上記のプロファイルを読んでみても、印象の差を確かに感じると思います。
言葉の力は大きい。
ここでもう一つ、注意していただきたいのが、使う言葉の順番です。
温かいという評価が先なのか、冷たいという評価が先なのかです。
実は、人の受ける印象は最初に使われた言葉で形成され、その後に来る言葉で肉付けされていく感じになる。
ボーンが最初の言葉、肉がその次にくる言葉ということです。
今回の例で言えば、評価の一言目である温かい、あるいは冷たいという評価で印象が一旦出来上がってしまうのでその後にいくら褒めても深く印象に残らない。
新鮮な気持ちで聞き入れた最初の言葉の印象の方が強く残るということです。
これは、自分のことをアピールしたい場面で効果的に活用できることです。一つ、いい武器になる。
なので、自分をアピールしたければ自分の長所を最初に詰めた方が期待通りにいく可能性が高くなる。
このように文書を書いて、読者さんに読んでもらうことでも同じことが言える。
この場合、結論から展開させていけば、分かりやすくなる。
言葉の力は凄まじく強い。