人間の一貫性を狙うフットインザドアとは


フットインザドア一貫性を狙うフットインザドア。しっくりこないと思うが分かりやすく説明していきます。

 

本題に入る前に1つ問題を解いてみてください。どこかのお店の中でやっていそうな次のABの内どっちが断りづらく、さらに興味を引けそうな感じがしますか。

 

A. 1週間飲むだけで5キロも痩せる健康サプリメントが開発されました。買って試してみてください。

B. 1週間飲むだけで5キロも痩せる健康サプリメントが開発されました。2、3分だけで結構ですので内容だけ聞いていただけますか。

 

Aはいきなり購入を勧めてきています。1週間で5キロ痩せるという一言に信用して買うと思いますか。

おそらくほとんどの人は慎重になり、直ぐには買う気にならないでしょう。この場合は断るのは簡単だと思います。

 

一方、Bはどうでしょうか。

すぐに買ってくれと勧めてないし、素晴らしい物が開発されたなら知識にもなるから内容だけ聞いてみようという気持ちになる人は出てきそうですよね。

実はBを選んだ人はこの時点でフットインザドアという承諾を誘導する交渉テクニックにはまっているのです。

 

フットインザドアとは人間の心理を活用した交渉テクニックの1つで、本命の要求を受け入れてもらうために、まず人が受け入れやすい小さい要求から交渉を開始し、だんだん要求のレベルをあげながら最終的に本命の要求を通すというやり方です。

人の心理を簡単に誘導できるテクニックとして特に商売で広く活用されている。

 

上記のBの例で言えば、一旦説明を聞くという要求を受け入れてしまうとそのあとの要求はどんどん断りづらくなり最終的に購入するしかない状況になるという訳です。

このサプリは◯◯という有名な会社が作っているもので美味しく、飲みやすい、そして効果がこのように現れていると言いながらあるグラフを見せる。

なんとなくそうなんですねと思いながら説明を聞いていると試しにサンプルもあるので飲んでみませんかとさらに次の要求が勧められます。

せっかくなので飲んでみようかと1つ飲んでみる。

店の人がさらに説明を進める、飲みやすいでしょう、とけやすいので即効性も期待できる、そして他のサプリに配合されてい無い◯◯という成分が入っているので◯◯という効果もあると成分を示して図を見せる。

 

あ、そうなんだ、有効成分が色々入っているんだと思って説明を聞いていると店の人が本命の買い求めを勧める要求を打ち出す。

こんないいサプリです、実は1袋が1万円のところ期限限定で半額の5千円で販売しています、今だけなのでいかがでしょうか。

 

こんな流れになってしまった場合、あなたは断れますか。最初から話を聞くと言ったのは自分だし、1つ飲んじゃったし、一所懸命説明してくれたのでお返しの心理も強く働き、非常に断りづらい状況になった気がしませんか。

ここでほとんどの人は最初は買う予定なかったのに買ってしまうんです。

 

では、なぜフットインザドアに一旦はまってしまうと断りづらくなるのか。

 

その背景には、一貫性に憧れる人間の心理があるからです。

人間には矛盾したことが嫌い、決めたことは曲げたくない、真っ直ぐな一貫性のある人になりたいという心理が強く働くため一回受け入れたことは断りにくくなるという特性がある。

上記Bの例で言えば、一回話を聞くことになったので話を終わるまで聞くしかない状況が作れてしまう。

そして話中にサンプルを飲んでみたり、色んな工夫された説明を聞いているとここで断るのは道徳的にも悪いという感情が湧きどんどん断りづらくなって行きます。

 

店の立場から言えば、相手にどんどん断りづらい状況を作り、お客さんをがっちりキャッチして最終的に買ってもらうしかない状況にするというわけです。

実はフットインザドアテクニックについて多くの心理学実験が行われ、説得効果が証明されています。有名なのはフリードマンとフレーザーという心理学者が行った実験です。

 

まず、知らない主婦に台所用品の調査させて欲しいと電話で尋ねます。そして、2つの異なる条件で結果がどのように変わるのかを検証する実験です。

 

1つ目の条件は電話の依頼を受け入れた人にその電話で簡単なアンケートに答えてもらいます。

そして3日後にまた電話して今度台所の用品を実際にチェックさせてください。5、6人の調査グループが2時間くらいで調査が終わりますと言って要求のレベルをあげて尋ねます。

2つ目の条件は電話で最初から5、6人の調査グループが家に行きますので台所用品を調査させてくださいと尋ねます。

 

その結果、グループで行う調査を受け入れた人が1つ目の条件では53%、2目の条件では22%と2倍近く差が出たという実験です。

一貫性を求める人間の特性を利用したフットインザドアという交渉テクニックについて何となくわかったと思います。でも、このままで終わるとフットインザドアは悪いというイメージがついてしまいそうなのでちょっとだけ補足させてください。

人の役にたつ、ためになる商品やサービスをお勧めしたり、説得したいことを相手が受け入れてくれるようにフットインザドアを使うのは問題ではありません。

むしろ、このテクニックを意識していれば交渉がうまく言ったり、人間関係をうまく維持したりできるメリットがあります。

ただ、正直詐欺行為などに悪用する人もいるので気をつけて欲しいところです。

もし、怪しいと思ったらドアに足を挟んでしつこく勧めても「いいえ、結構です。よく考えたら必要がありませんでした。」ときっぱり断ってください。