頼み事はできればYESと言ってもらえたいものです。
でも、人をYESと言わせるのは簡単なことではありません。
そこで、今回は、頼み事に対して相手を必ずYESと言わせる方法を紹介する。
感情に直接触れる方法なので効果絶大です。その時の心理的な要因についても触れておく。
その方法をズバリ言います。
相手との距離を近づける事です。
相手にできるだけ体を寄せて熱心に頼めば相手が断りづらくなり、頼みを受け入れてくれる可能性がぐっと上がる。
相手との距離が近ければ頼みを聞いてくれやすくなる。
実は、これを証明した実験もある。
ボランティア活動を要求する時にどのように頼めば効果があるのか調べた実験です。
その結果、ボランティアを依頼する時に近い距離で頼む方が活動に協力してくれる確率が高かったという。
しかも、この実験で一番効果がある距離も具体的に出している。
その距離は、相手より40cm前後の距離です。
頼み事に対して、相手がYESと答える距離は40cm前後。
40cmがYESとNOを分けるギリギリのラインということです。
それより近くなれば不自然で相手のパーソナルスペースに侵入することになるので逆に断られてしまう。
そして、40cmより遠くなれば、事の重大さが相手に伝わりにくくなり、NOと答える確率が高いくなる。
いくら熱心に頼んでも距離が遠ければ効果がないということです。
アメリカの警官は、仕事をやりやすくする裏技的なことが書かれたマニュアル本を渡されるそうです。
そのマニュアル本には、被疑者を取り調べする時にできるだけ近くに座った方が相手の心を緩める効果があると具体的に書かれているそうです。
読んでみたいマニュアルです。もし、本当の話であれば説得力抜群な例です。
このように、相手をYESと言わせ、思い通りに行動してもらうには、相手との距離が大事です。
では、その理由はなんだろうか。
実は、次の2つの心理的反応が相手をYesと言わせるのに影響しているのです。
- アンビバレンス
- 衝撃
それぞれ解説してみます。
1. アンビバレンス
人には、パーソナルスペースというものがある。
それより、近づくと不快になり、遠くになると近づいて欲しくなる。
つまり、パーソナルスペースに入って欲しくない気持ちと、パーソナルスペースギリギリのラインまで近づいて欲しい気持ちが混在しているのです。
このように相反する感情が同時に存在する状態をアンビバレンスと言います。
拒否するが拒否しない、好きじゃないが好きと言う複雑な感情です。
そして、拒否しない距離を保てば、親しみやすくなり、気持ちが打ち解けやすくなる。こうなれば、相手があなたのの頼みを簡単に断れなくなるのです。
つまり、NOよりYESがいいやすくなるという事です。
繰り返しになるが、パーソナルスペースギリギリのラインは40cmです。
2. 衝撃
実は、人は自分のパーソナルスペースに入って欲しくないと警戒しながらも、入って来ないだろうと油断している。
なぜなら、相手にもパーソナルスペースがあり、潜在意識的に相手がパーソナルスペースに入ってはいけないという常識を持っているだろうと思い込んでいるのです。
そこにいきなり近寄られたらビックリして、冷静さを失う。衝撃を受けるわけです。
この時は、心のバランスが崩れるので、外からのアタックを受けやすくなるのです。
スピーチの冒頭は、衝撃を与えるというテクニックがある。
オーディエンスが予想していない事をやると、そのあとの話に注目する。おそらく、心のバランスが崩れている状態なので、その隙間を埋めるための手段が注目するという行為なのかもしれません。
つまり、YESが言いやすい状態になるという事です。
頼み事は相手に近い距離からすれば断りづらくなり、遠くからすれば関心を持たない。
ただ、近すぎても、遠すぎてもダメです。
3回目の繰り返しになるが、YESとNOの境目が相手から40cmの所です。
それより近いと、場合によっては、刑務所行きなので注意してください。笑
そして、相手がYESと言ってしまうのはアンビバレンス心理と相手が想定外に近づいた事による驚きの心理が原因なのです。
誰かにyesと言われたければ、この方法を試してみてください。近過ぎはダメね。